こちらの記事では、新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続く中、使い捨てマスクを「どうしても洗って再利用したい場合」「どうしても洗濯を希望する場合」に2日使うためのマスクの正しい洗い方や乾燥方法の手順をご紹介します。
- マスクの再利用はできるの?
- どうやって洗えばよいの?
- 洗剤は何を使う?
- 殺菌消毒したい時はどうする?
- どうやって乾燥したらよい?
- 洗ってもマスクの効果は持続する?
など、マスクの再利用方法について疑問が多すぎて不安になっていませんか?
マスクの業界団体(メーカー115社が加盟する全国マスク工業会)が発表したマスク再利用についての指針を参考に、マスクの洗濯方法から殺菌消毒まで、知っておくと役立つ情報をまとめます。
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目次
使い捨てマスクはそもそも再利用できる?

マスク不足でいろいろな情報が飛び交っている状況で、「使い捨てマスクを再利用するかどうか」迷っている方は多いと思われます。
ネットリサーチを手掛けるディムスドライブが2017年2月28日に発表した『マスク』に関するアンケート」では、
- 「1日」で使い終わる人56.2%
- 「汚れ、ニオイが気になったら交換」する人18.6%
- 「2日」で交換する人13.0%
- 「3日以上」6.8%ほど
という結果に。
つまり、マスクを2日以上使ったり再利用する人の割合は全体の2割くらいいることになります。
使い捨てマスク(不織布マスク)について、マスク業界のメーカーが3月に発表した「マスク再利用についての指針」によると、
- マスクの再利用は勧めない
- 洗って繰り返し使えるもの以外は機能が低下
とのことです。
また、マスク以外で買い求める客が多く品薄になっている「抗菌スプレー」や「アルコール消毒液」などの使用については、
「フィルターの機能をなくしてしまう」ため、使用しないよう求めているんだそう。
マスク用の抗菌スプレーの効果と注意点
マスク用の抗菌スプレーの使用についても効果があるかないか気になりますね。
マスク業界(全国マスク工業会)によると、「フィルターの機能が低下してしまうため使用しない」ように求められています。
一体どういうことなのでしょうか。
抗菌スプレーが有効だと使用してきた方にとっては意外な結果では?
その理由は、使い捨てマスクの素材と抗菌スプレーの成分の相性にあるようです。
そもそも使い捨てマスクの主な素材である「不織布(ふしょくふ)」とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもの(JIS L0222規格では、紙、フェルト、編物を含まない)をいい、糸を織るのではなく繊維を合成樹脂などの接着剤でくっつけて、布状にしたものなんだそう。
つまり、この合成樹脂などの接着材と除菌抗菌スプレーに含まれている「アルコール」が一緒になると「マスクの効果を落とす」というわけです。
最近の除菌抗菌スプレーには「ノンアルコール」「自然由来」などとアルコールが含まれていない商品も増えています。
抗菌スプレーを購入希望の方は、必ずアルコールが「含まれているか」「含まれていないか」を確認しましょう。
↑こちらのような「アルコールを含まない抗菌スプレーを選ぶ」ことをお忘れなく。
どうしても2日使いたい場合は?

店頭でマスクを買うこともできず、高価な上品薄になっている除菌スプレーも使わないとなると、頭に浮かぶのは「マスクを洗って再利用」というものです。
誰でも出来てしまう簡単な方法ですが、「それって衛生的に大丈夫?」という不安がよぎりませんか?
とはいえ、マスクを付けなければ、ウイルスや花粉、PM2.5などが口や鼻から侵入する可能性が高まるのではないかと心配になりますよね。
今回のマスク業界の指針には、「どうしても洗って再利用したい場合」について、マスクの正しい洗い方も言及されています。
つまり、使い捨てマスクは1日使えば基本的に使いまわしできないが、やむを得ない場合には「洗い方や乾燥の仕方に注意すれば使える」ということです。
使い捨てマスク2日使う場合の正しい洗い方
そして、正しい洗い方(洗濯方法)は以下の通り。
- 中性洗剤を使う
- もみ洗いではなく押し洗いする
- 十分にすすぐ
- 乾燥機は使わない
- 自然乾燥
とのこと。
かなりシンプルで簡単な方法です。
これなら誰でも手軽にできそうです。
どんな洗剤を使うと良い?おすすめの中性洗剤
中性洗剤を使うと良いとされていますが、「中性洗剤て何?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
身近なところでは、食器洗い洗剤や洗濯用の洗剤、ハンドソープなどがそれにあたります。
どこの家庭にあるものですが、マスクは口に直接当てるものですから、なるべく口に入れても害がなく、肌に優しく安全なものがいいですよね。
「汚れが落ちて白くなる」除菌漂白ができるハイター系の洗剤は「アルカリ性」ですのでマスクの洗浄には不向きですから気を付けましょう。
直接肌に触れるものですから、中性洗剤の成分などにこだわりたい方や、アレルギーが気になる方には、自然派由来のオーガニック洗剤もおすすめです。
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管理人が使用しているものです。
レモングラスのエッセンシャルオイルの香りが気に入っています。
赤ちゃんにも使える自然派洗剤でありながら化学系合成洗剤と同等以上の洗浄力があるのが特徴。
とはいえ、すぐにスーパーやドラッグストアで入手したい、という方におすすめなのが、人気の「ウタマロ」↓です。
化粧などの落ちにくい汚れにも対応できる、なかなか優れた中性洗剤です。
→簡単!使い捨てマスクに付いた化粧汚れを3分で落とす洗剤と洗い方
洗剤を選ぶポイントは「液体タイプ」の洗剤であること。
使いやすく、マスクのような薄くてデリケートな素材を手洗いするのに向いています。
マスクを洗う手順と注意点
最大のポイントは、以下の通り。
- 押し洗いする
- 十分にすすぐ
- タオルで押さえて水分を取る
この場合の注意点は、
「もみ洗い・こすり洗いをしない」こと、「絞らないこと」です。
もみあらいやこすり洗いをしてしてギュッと絞ってしまうと、マスクの素材が傷つきます。
また、その場合、乾かした後、表面にふわふわと細い繊維が浮き出してしまいます。
薄くデリケートな素材であることを忘れないように、優しく押し洗いをしてタオルで押さえて水分をとりましょう。
使い捨てマスク2日使う場合の殺菌・除菌消毒する方法
一度だけ使いまわす条件で再利用するのであれば、中性洗剤で洗って干すのが最も簡単な方法ですが、
ウイルス除去、殺菌などにこだわりのある方は、念には念を、ということで「殺菌消毒」「除菌」もしたいところでしょう。
下記に管理人が試した方法を参考にご紹介します。
アルコール消毒液を使ってもよい?
手の殺菌で効果が期待される「アルコール消毒」。
ですが、アルコール成分は、マスクの除菌には効果がありそうですが、素材の劣化に影響するためおすすめできません。
何よりも、口元に当てるものですから皮膚や体内に悪影響がないものを選びたいものです。
よく聞く「塩化消毒」とは何?
新型コロナウイルスの影響で、「塩化消毒」を最近よく言葉を耳にします。
「除菌」成分や殺菌消毒の効果がある洗剤や石鹸、除菌ハンドジェルなどによく含まれているのが「塩化物」。
こういった除菌や殺菌に効果のある塩化系の液体も最近では在庫がなくなっているのだとか。
塩化系の「殺菌消毒剤の効果・効能」としては、
手指、創傷面の殺菌・消毒があげられ、原液も販売されているので、薄めて使って家庭のあらゆるところに使用できるのが利点です。
似たような液体洗剤に「消毒用エタノール」もありますが、必ず使用上の注意をよく守り、「デリケートな部分に使用できるか」ご検討ください。
マスクを消毒する手順(わかりやすく)
洗ったマスクを消毒する方法は簡単です。
使用方法通りに作った消毒液を容器に入れ、マスクをつけおきます。
最初、マスクが浮きますので、手で沈めてください。
マスクの耳のゴムの部分もしっかりつけましょう。
あまり消毒液に長くつけると、マスクの繊維を壊す恐れがあるため、長くても数時間ほどで消毒液から取り出し、水でしっかりすすぎましょう。
使い捨てマスク2日使う場合の乾燥方法
洗った後は、乾燥させます。
とても簡単ですが、乾燥方法にも少し注意が必要そうです。
ドライヤーや乾燥機で乾かしてもよい?

ドライヤーや乾燥機を使うと一瞬で乾いてしまうので、とても手軽で簡単です。
ですが、そこに落とし穴があるようです。
マスク業界(全国マスク工業会)によると、
「ドライヤーや乾燥機は使わないほうがよい」
とのこと。
なぜかというと、使い捨てマスクの素材を傷つけてしまい、フィルターの機能がなくなることで、効果がなくなってしまう恐れがあるからだそうです。
確かにドライヤーや乾燥機の熱や風は強力すぎてマスクの繊維を壊しそうですね。
自然乾燥がよい?

ドライヤーや乾燥機が使えないとなると、やはり「自然乾燥」しかありませんよね。
外干しすると、太陽光で殺菌もできるためおすすめな方法です。
ですが、こちらについても春の季節や花粉の季節は注意点が必要です。
花粉がついたマスクを使用すると、花粉症の人はもちろん、特に症状がない人も口や鼻に花粉が触れればアレルギーを発症する可能性があります。
ウイルスだけではなく、新たに鼻水やくしゃみとと戦うことになりますので、外干しは花粉の季節は避けた方が無難です。
部屋干しでも構いませんので、「日の当たる室内の場所」に干して乾かしましょう。
■マスクに化粧汚れをつけない方法もあります。
⇒おすすめ!マスクにファンデーションや口紅の化粧がつかないスプレー3選
使い捨てマスクを2日使う場合の注意点
これまでの検証で、使い捨てマスクを洗って2日使いまわしする場合、何かと注意点があることがわかりました。
さらに、再利用については以下の注意点も重要ですので、覚えておきましょう。
2日以上使用しない
経験上、使い捨てマスクの効果を落とさないまま再利用するには、2回(2日間)使用が限界です。
「汚れていないから」「洗うとまた使えるから」という理由で3回以上使うのは控えましょう。
2回以上洗って使うと、マスクの表面に繊維が浮き出し、毛玉のようになり、見た目からも既にマスクの役割を終えていることがわかります。
いろいろな事情があると思いますが、どうしても洗って使いたい場合は、以下の写真のような「洗って使えるマスク」を購入しましょう。
■水洗いできるマスク(3月発送開始予定)
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洗ったマスクは自分以外使用しない
洗って使う場合、マスクは自分のもの以外使わないようにしましょう。
感染予防も含め、洗ったマスクは家族で使いまわしたりせず、それぞれ自分が使ったマスクを利用するのがエチケットです。
すでに効果が薄れている事を覚えておく
たとえ少し使っただけのマスクも、洗うと効果が薄れます。
見た目では分からなくても、「マスクの効果は半減している」という認識をもって使い捨てマスクを再利用しましょう。
■政府が配布する布マスク(アベノマスク)が届いたら?
まとめ
使い捨てマスクの再利用や洗濯について理解できたでしょうか。
マスク業界の指針により、使い捨てマスクは「洗って使えるという表記がない場合は勧めない」とのこと。
そうした上で、どうしても洗って再利用したい場合は、中性洗剤を使って押し洗いし、十分にすすぐこと。
乾燥機は使わずに自然に乾燥させることなどが示されました。
また、抗菌スプレーやアルコール消毒液などはマスクのフィルターの機能をなくしてしまうため、使用しないほうがよいそうですよ。
それでは最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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